iDeCoを会社員のまま始めたら、年間いくら得をするのか——実際に計算してみた

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NISAを始めてから半年ほど経ったころ、ふと気になりました。「iDeCoって、やった方がいいのはわかってる。でも、会社員にとってどのくらい得なのかが、いまいちピンとこない」。この記事は、そのときの自分と同じ疑問を持っている人に向けて書いています。制度の説明より先に「実際の金額」を見てもらう構成にしました。

結論:年収500万円の会社員なら、年間約5.5万円の節税になります

年収500万円 企業年金なし 毎月の掛金23,000円(現行上限) 税率20%(所得税10%+住民税10%)
年間節税額(概算)
¥55,200

毎月の掛金276,000円 × 税率20%

月換算の節税
¥4,600
10年間の節税総額
¥552,000

掛金は「払っているお金」ですが、その分だけ課税所得が減るため、払う税金が少なくなります。「投資しながら税金も減る」という二重の効果があるということです。


NISAとiDeCo、何が違うのか

よく「どちらを先にやるべきか」という話になりますが、そもそも仕組みが違うため比較より「両方活用する」が正解です。

📗 NISA
節税のタイミング受取時(運用益が非課税)
引き出し制限いつでも可
年間上限最大360万円
向いている用途中長期・いざとなれば使える資金
VS
📘 iDeCo
節税のタイミング積立時(掛金が所得控除)
引き出し制限原則60歳まで不可
年間上限最大27.6万円(企業年金なし会社員)
向いている用途老後資金専用・確実に守りたい資金

NISAは「増えた分に税金がかからない」仕組み。iDeCoは「積み立てるたびに税金が返ってくる」仕組みです。特に会社員にとってiDeCoが有利なのは、積み立てるだけで確実に節税になる点です。運用がマイナスになったとしても、掛金の所得控除による節税分は毎年必ず得られます。


私がiDeCoを後回しにしていた理由と、考えが変わった話

💬 実体験

正直に言うと、iDeCoの口座開設はNISAより半年遅れました。理由は「60歳まで引き出せない」という一点でした。地方移住して生活スタイルが変わった直後だったこともあり、流動性のない資金を増やすのが怖かったのです。

考えが変わったのは、FPに相談したときです。「緊急資金(生活費6ヶ月〜1年分)を流動性の高い形で確保した上で、それ以外の老後資金はiDeCoに入れた方がいい。iDeCoは引き出せない分、使い込む心配がない」という話を聞いて、腑に落ちました。引き出せないことはデメリットではなく、「老後専用口座として強制的に守られる」という考え方です。


年収別・節税シミュレーション

自分の年収に近い行を参考にしてください。いずれも企業年金なし・月2.3万円拠出の場合の概算です。

年収税率目安年間節税額10年間節税総額
300万円約15%約41,400円約414,000円
400万円約20%約55,200円約552,000円
500万円約20%約55,200円約552,000円
600万円約20%約55,200円約552,000円
700万円約30%約82,800円約828,000円
800万円約30%約82,800円約828,000円

年収が高いほど税率が上がるため、節税効果も大きくなります。年収700万円以上の方にとって、iDeCoは特に効果の大きい選択肢です。


2027年からの法改正で、何が変わるか

2025年6月に年金制度改正法が成立し、iDeCoの制度が大きく変わります。会社員にとっては掛金上限の大幅引き上げが最大の変化です。

① 掛金上限額の引き上げ(2027年1月〜)

現行(〜2026年)
企業年金なし会社員の上限
23,000円/月
年間上限:27.6万円
改正後(2027年1月〜)
企業年金なし会社員の上限
62,000円/月
年間上限:74.4万円(約2.7倍)

年収500万円の会社員が満額(月6.2万円)を拠出した場合の節税効果:年間約148,800円、10年間で約148万円。現行制度と比べると、10年間で約90万円以上の節税効果が上乗せになります。

② 受取時の「5年ルール」→「10年ルール」(2026年1月〜)

⚠️
退職金との受け取りタイミングに注意

これまではiDeCoの一時金を受け取った後、5年以上空ければ退職金にも退職所得控除が満額適用できました。2026年1月以降はこの期間が10年に延長されます。定年退職時にiDeCoと退職金を近接した時期に受け取る予定がある方は、受取方法・タイミングについて事前に検討しておくことをおすすめします。

③ 加入可能年齢の引き上げ(2027年1月〜)

項目現行改正後(2027年〜)
加入可能年齢65歳未満70歳未満
企業年金なし会社員の上限月2.3万円月6.2万円
事業主証明書必要2024年12月〜不要

iDeCoの口座はどこで開くか

選ぶ基準は2つです。①運営管理手数料が0円であること、②信託報酬の低いインデックスファンドを取り扱っていること。マネックス証券・松井証券はいずれもこの条件を満たしており、iDeCo口座としての使い勝手が高い選択肢です。

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始める前に確認しておくこと

📋 開設前チェックリスト
1
勤務先に企業年金(DB・DC)があるか確認する企業型DCがある場合、iDeCoとの合算上限が適用されます。人事部に確認しておきましょう。
2
緊急資金(生活費6ヶ月〜1年分)を先に確保するiDeCoは原則60歳まで引き出せません。流動性の高い現金を確保した上で掛金を設定するのが原則です。
3
掛金は無理のない金額から(月5,000円〜)2027年からの上限引き上げ後に増額することもできます。まず始めることが重要です。

まとめ

この記事のポイント
年収500万円・月2.3万円拠出で、年間約55,200円の節税になる
NISAは「受取時に非課税」、iDeCoは「積立時に所得控除」——仕組みが違うため両方活用が正解
2027年から掛金上限が月2.3万円→6.2万円に引き上げ予定(企業年金なし会社員)
2024年12月から事業主証明書が不要になり、手続きが大幅に簡素化された
まず緊急資金を確保し、その上で無理のない金額から始めるのが基本

NISAで運用を始めている方の「次の一手」として、iDeCoはもっとも効果の大きい選択肢の一つです。

※本記事は2026年3月時点の制度情報に基づいています。税制・制度は変更される場合があります。実際の節税額は個人の状況により異なります。投資にはリスクが伴います。取引の最終判断はご自身でご判断ください。

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