NISAを始めてから半年ほど経ったころ、ふと気になりました。「iDeCoって、やった方がいいのはわかってる。でも、会社員にとってどのくらい得なのかが、いまいちピンとこない」。この記事は、そのときの自分と同じ疑問を持っている人に向けて書いています。制度の説明より先に「実際の金額」を見てもらう構成にしました。
結論:年収500万円の会社員なら、年間約5.5万円の節税になります
毎月の掛金276,000円 × 税率20%
掛金は「払っているお金」ですが、その分だけ課税所得が減るため、払う税金が少なくなります。「投資しながら税金も減る」という二重の効果があるということです。
NISAとiDeCo、何が違うのか
よく「どちらを先にやるべきか」という話になりますが、そもそも仕組みが違うため比較より「両方活用する」が正解です。
NISAは「増えた分に税金がかからない」仕組み。iDeCoは「積み立てるたびに税金が返ってくる」仕組みです。特に会社員にとってiDeCoが有利なのは、積み立てるだけで確実に節税になる点です。運用がマイナスになったとしても、掛金の所得控除による節税分は毎年必ず得られます。
私がiDeCoを後回しにしていた理由と、考えが変わった話
正直に言うと、iDeCoの口座開設はNISAより半年遅れました。理由は「60歳まで引き出せない」という一点でした。地方移住して生活スタイルが変わった直後だったこともあり、流動性のない資金を増やすのが怖かったのです。
考えが変わったのは、FPに相談したときです。「緊急資金(生活費6ヶ月〜1年分)を流動性の高い形で確保した上で、それ以外の老後資金はiDeCoに入れた方がいい。iDeCoは引き出せない分、使い込む心配がない」という話を聞いて、腑に落ちました。引き出せないことはデメリットではなく、「老後専用口座として強制的に守られる」という考え方です。
年収別・節税シミュレーション
自分の年収に近い行を参考にしてください。いずれも企業年金なし・月2.3万円拠出の場合の概算です。
| 年収 | 税率目安 | 年間節税額 | 10年間節税総額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約15% | 約41,400円 | 約414,000円 |
| 400万円 | 約20% | 約55,200円 | 約552,000円 |
| 500万円 | 約20% | 約55,200円 | 約552,000円 |
| 600万円 | 約20% | 約55,200円 | 約552,000円 |
| 700万円 | 約30% | 約82,800円 | 約828,000円 |
| 800万円 | 約30% | 約82,800円 | 約828,000円 |
年収が高いほど税率が上がるため、節税効果も大きくなります。年収700万円以上の方にとって、iDeCoは特に効果の大きい選択肢です。
2027年からの法改正で、何が変わるか
2025年6月に年金制度改正法が成立し、iDeCoの制度が大きく変わります。会社員にとっては掛金上限の大幅引き上げが最大の変化です。
① 掛金上限額の引き上げ(2027年1月〜)
年収500万円の会社員が満額(月6.2万円)を拠出した場合の節税効果:年間約148,800円、10年間で約148万円。現行制度と比べると、10年間で約90万円以上の節税効果が上乗せになります。
② 受取時の「5年ルール」→「10年ルール」(2026年1月〜)
これまではiDeCoの一時金を受け取った後、5年以上空ければ退職金にも退職所得控除が満額適用できました。2026年1月以降はこの期間が10年に延長されます。定年退職時にiDeCoと退職金を近接した時期に受け取る予定がある方は、受取方法・タイミングについて事前に検討しておくことをおすすめします。
③ 加入可能年齢の引き上げ(2027年1月〜)
| 項目 | 現行 | 改正後(2027年〜) |
|---|---|---|
| 加入可能年齢 | 65歳未満 | 70歳未満 |
| 企業年金なし会社員の上限 | 月2.3万円 | 月6.2万円 |
| 事業主証明書 | 必要 | 2024年12月〜不要 |
iDeCoの口座はどこで開くか
選ぶ基準は2つです。①運営管理手数料が0円であること、②信託報酬の低いインデックスファンドを取り扱っていること。マネックス証券・松井証券はいずれもこの条件を満たしており、iDeCo口座としての使い勝手が高い選択肢です。
始める前に確認しておくこと
まとめ
NISAで運用を始めている方の「次の一手」として、iDeCoはもっとも効果の大きい選択肢の一つです。



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